2012年版はこちら
ちょっと大げさなタイトルですが、あくまで私個人の環境構築手順をまとめたものです。WindowsからMacに乗り換えたばかりで、どうやってPHPの開発環境を整えるか分からないPHPerに向けの「最短で良質な開発環境を整えるためのガイド」と考えてください。
1. ローカルアカウントの作成
「アカウント名」にコダワリのある人は注意して入力しましょう。アカウント名はユーザディレクトリのディレクトリ名になります。後で変えるのはめんどくさいです。私はWeb上のハンドルネーム suin を必ず入力します。
2. Xcodeのダウンロード
時間がかかるのでまず最初にダウンロードを始めて置きます。 iOSアプリを作らないPHPerにとっても便利な開発ツールが詰まってるのでインストールしておくことをお勧めします。 XcodeはApple Developerからダウンロードできます。 ダウンロードするためにはApple IDが必要なのであらかじめ作っておきます。
3. MAMPのダウンロード
MAMPは、Apache・MySQL・PHPの環境を手軽に構築できるアプリです。 WindowsでのXAMPPと似たようなものと考えて構いません。 Xcodeほどではないと言っても、MAMPもかなり容量が大きので、予めダウンロードを開始しておきます。
4. エディターのダウンロード・インストール
自分がよく使うエディタがあればそれを入れます。Macを始めたばかりでどんなエディタがあるかよく分からない人は、とりあえず CotEditor、Coda、TextMate、MacVim、Kodをすべてインストールしてみて自分に合うものを探しましょう。
5. ブラウザのダウンロード・インストール
主要なブラウザはこの際、いれておきましょう。
6. ユーティリティのダウンロード・インストール
上記以外に便利なアプリもダウンロードしておきます。
- CleanArchiver: Zipファイルに圧縮するときMac特有のドットファイルを取り除いてくれるアプリ。Windowsと連携する作業が多いときに使えます。
- Colors: シンプルなカラーピッカー。
- Dropbox: オンラインストレージ。
- Hoster: hostsファイルをGUIで設定するアプリ。
- Sequel Pro: MySQLのGUIクライアント。phpMyAdminより便利。
- Skype: チャット・音声通話アプリ。
- スクリン・クロラ: 画面動画キャプチャ。
- Teleport: ひとつのキーボードとマウスで複数のマックを操作するアプリ
- Alfred: アプリケーションランチャー。
7. 共有の設定
Dockにある「システム環境設定」から「共有」を開き、共有の設定をします。
- 「コンピュータ名」を設定
デフォルトだと「○○ ○○ の MackBook Air」となっていますが、これだと長すぎるので短く簡潔な名前に変更します。例えば、私のアカウント名はsuinなので、SuinMacbookAirのようにします。こうすることで、HTTPでMAMPにアクセスするときや、SSHでリモートログインするときに、http://suinmacbookair.local/ や ssh suin@suinmacbookair.local のようにでき、複数のマシン・グループでのウェブ開発の利便性が高まります。
- 「ファイル共有」をONにする
他のマシンからMacbookAirの共有フォルダを参照できるようになります。
- 「リモートログイン」をONにする
SSHで他のマシンからMacbookAirにログインできるようになります。
8. Spacesの有効化
Spacesは読んで字のごとく、画面のスペースを増やしてくれる機能です。画面にウィンドウをひらきすぎて、ごちゃごちゃする人はSpacesをうまく活用すると、作業の効率が上がるかもしれません。
- Dockの「システム環境設定」から「ExposeとSpaces」を開く。
- タブ「Spaces」を選択する。
- 「Spacesを有効にする」にチェックを入れる。あとは、好みに応じてスペースを増やしたり減らしたりします。
9. ターミナルの設定
「ターミナル」はWindowsでいう「コマンドプロンプト」です。コマンドラインに詳しくない人でも、そのうち必ず使うようになるので、設定しておきましょう。ターミナルは「アプリケーション」→「ユーティリティ」にあります。デフォルトだと味気ないアプリなので、いろいろ設定をしてやりましょう。
9.1 ターミナルの見た目をプロにしよう
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」を起動する。
- メニューバーから「ターミナル」→「環境設定」を開く。
- 「起動」タブを開く。
- 「起動時に開く:次の設定の新しいウィンドウ」のセレクトボックスから「Pro」を選択する。
- 「設定」タブを開く。
- 「Pro」を選択状態にする。
- 「デフォルト」をクリックし、「Pro」をデフォルトにする。
- 「設定」を閉じる。
- 一旦、ターミナルを閉じ、ターミナルを開いて、Proのテーマが適用されているか確認する。
9.2 ターミナルの設定ファイルを作ろう
ターミナルの設定をさらに細かくするために、次の二つのファイルを、ホームディレクトリに作ります。ホームディレクトリとは/Users/あなたのアカウント/のことです。
- .bash_profile
- .bashrc
まず、ターミナルを開きます。(すでに開いていると思いますが。)上のファイルを作るために次のコマンドを順に実行してください。よく分からない人はターミナルにコピペしてください。ちなみに上のファイルは不可視ファイルなのでFinderでホームディレクトリを開いても見ることができません。
cd touch .bash_profile touch .bashrc
次に、.bash_profileをエディタで開きます。開くために次のコマンドを実行してください。下のコマンドは「テキストエディットで開く」という意味ですので、もし好みのエディタがある人はそれでもかまいません。
open -a TextEdit .bash_profile
.bash_profileに次の行を追加して保存します。これは、.bashrcがあればそれを読み込むという処理です。PHPで言えばif(file_exists('.bashrc')) include '.bashrc';です。保存したらエディタを閉じます。
# read .bashrc if [ -f ~/.bashrc ]; then . ~/.bashrc fi
今度は、.bashrcの設定するためにファイルを開きます。
open -a TextEdit .bashrc
アプリケーションやコマンドへのショートカットコマンドを設定していきます。私の設定は下のようになっています。自分の好みに合わせて設定してください。よく分からなければ、そのままコピペでもいいと思います。保存したらエディタを閉じます。
# Application Shortcuts alias cot='open -g -a CotEditor' # ターミナルからCotEditorを開く alias coda='open -g -a Coda' # ターミナルからCodaを開く alias safari='open -g -a safari' # ターミナルからSafariを開く alias console='open -a console' # ターミナルからコンソールを開く # MAMP alias web='cd /Applications/MAMP/htdocs/' # MAMPのドキュメントルートにジャンプする alias mysql='/Applications/MAMP/Library/bin/mysql' alias php5.3='/Applications/MAMP/bin/php5.3/bin/php' # for shortcut alias up='cd ..' alias upp='cd ../..' alias uppp='cd ../../..' alias ls='ls -GwF' alias la='ls -alh' alias t='tar zxvf' alias t-='tar xvf -' alias b='bzip2 -dc' alias dh='df -h' alias vi='vim' alias v='vim' alias sr='screen -d -R' alias grep='grep --exclude=*.svn*' alias greprn='grep -rn --exclude=*.svn*' alias bye='sudo shutdown -h now' # for svn alias st='svn st' alias stu='svn st -u' alias sd='svn di' alias sdi='svn di' alias sad='svn add' alias sup='svn up' alias sci='svn ci' alias scim='svn ci -m' # for git alias gst='git status' alias gci='git commit' alias gdi='git diff' alias gdc='git diff --cached' alias gad='git add'
設定を書き込んだばかりだと、ターミナルに反映されないので、ターミナルを再起動します。上の設定をコピペした場合、Safariをとじた状態で、safariとだけタイプしてエンターを押してみます。そこでSafariが起動すれば、設定が反映されていることになります。
9.3 プロンプトの書式をカスタマイズしよう
プロンプトとは、ターミナルの行頭に出ているの部分を言います。デフォルトでも全く問題はありません。ただ、ちょっと白黒で寂しいですし、行の前後にスペースがあったほうが見やすいので、カスタマイズしてしまいます。
再び、.bashrcを開いて、編集します。今度は、上で設定したショートカットコマンドを使って、CotEditorで編集してみます。(CotEditorが未インストールの場合は入れておきます)
cot .bashrc
「エンコーディング」を「Unicode(UTF-8)」にします。「"Unicode(UTF-8)"を使って変換または再解釈しますか?」と聞かれたら、「変換」を選びます。
ファイルの最後に次の内容を貼り付けます。
PS1="\n\`if [ \$? = 0 ]; then echo \[\e[32m\]^_^\[\e[0m\]; else echo \[\e[31m\]O_O\[\e[0m\]; fi\` (\h:\w)\n* "
保存したら、ターミナルを再起動します。プロンプトが下のようになっていれば設定成功です。
10. MacPortsのインストール
MacPortsは、Unix向けに開発されたオープンソース・ソフトウェアを手軽にインストールすることができるMacOSX用のパッケージです。「Unixで使えるあのコマンド、Macでも使いたい!」というときに簡単にコマンドをインストールすることができます。
MacPortsのより詳しいインストール方法は、MacPortsでステキなUNIXツールをインストール - はこべにっき#を御覧ください。
Snow LeopardのMacPortsはwww.macports.orgから入手します。
10.1 便利なコマンドを入れておこう
treeコマンドやwgetコマンドなど、あると便利なコマンドを入れておきます。ターミナルから次のコマンドを実行することでインストールできます。sudoするのでパスワードを聞かれることがありますが、それはあなたのアカウントのパスワードです。ターミナルからやるのが面倒な人には、GUIでMacPortsを管理できるPorticusを入れておくといいでしょう。
sudo port install tree sudo port install wget
つづく?
他にも、~/.ssh/config、エディタ、ブラウザの設定などありますが、今回はこのへんにしておきます。