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韓国語の「右」は正しくて、「左」は間違ってる

suin2010年3月23日
英語の right は印欧語根の *reg- に遡る.原義は「まっすぐにする」で,同じ語根からはラテン語に由来する regular, reign, rule などが英語に入っている.この原義から様々に意味が発展し,「規準」「正義」「権利」「正しい」「正常な」「右の」などへ広がった.
hellog〜英語史ブログ #329. 印欧語の右と左

印欧諸語を例にとって、右が優勢という話。そういえば、印欧諸語ではない韓国語も、「右」が優勢のようです。韓国語は「오른-쪽(olunccok オルンチョック)」で右を表します。olun-は接頭辞で、olun + ccok(方)で右の方つまり「右」、 olun + son(手)で右手、olun + phal(腕)で右腕となります。

olun-はどうやら「正しい」を意味する形容詞「옳다(olhta オルタ)」がolhun > olun-のように変化し化石化したものようです。daumのQ&Aによれば、16世紀ごろに「正しい」を意味するolhAta*の連体形olhAnが、歴史的にolun-に変化したそうです。

一方、韓国語で「왼쪽(waynccok ウェンチョック)」は左を意味します。これは、16世紀ごろ「間違っている」の意味のwaytaがあり、連体形waynが化石化して現在も残っているそうです。現在は、waytaという形容詞は使われず、kulutaが使われます。

右が優勢なのは、他のいろんな言語で見られるかもしれません。

 

* Aはアレア

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