URLがどうあるべきか調べていたら「良いURLについて考える」という良記事に遭遇しました。原文が英語らしいので、ここはあえて英語の方を引用します。
The basic idea is to provide easier-to-understand Web addresses, which offer the following benefits:
- Easy to communicate and remember: Current or potential customers can easily remember the address for personal use or distributing via word of mouth, e-mail, and so forth.
- Short enough to be pasted: This is a facet of communication -- the address should be short enough to be pasted in an e-mail without wrapping. The address is often mangled when/if it wraps, leaving the user to reconstruct it.
- Easy to guess: Users should be able to discern an address (within reason) by what they are trying to do. A good example is the news section of the Google site; you can get to it by adding news to the Google address like this www.google.com/news. Along the same line, the book section of Amazon.com is easy to access with the address www.amazon.com/books.
- Presentable: The URLs should be short and legible enough to appear in company brochures and so forth.
- Easy to type: The address should be easy on the fingers when typing into the address area of a browser via a conventional keyboard or mobile device. The length of the address will be a major issue with mobile users who often work with limited input devices.
Improve usability with friendly URLs(Tony Patton, May 14, 2007)より引用。和訳はこちら。これに関連して、鋭い指摘である「よいURLって本当に必要なんだろうか?」も参考になります。
Pattonさんによると、良いURLの基本は「より理解しやすいWebアドレス(easier-to-understand Web addresses)」とのことです。この点についてはとても同意できます。氏が挙げる5つの点についても反論は特にありません。そして、私が考える「理解可能なURL」のメリットはこれ限りではありません。
URLも人が認識できる情報たるべし
悪いURLは機械本位
悪例に自分のサイトを持ち出すのも、もの悲しいものがありますが...笑。
http://xoops.suinyeze.com/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=74
これはXOOPS、ひいては私の作ったモジュールBulletinが生成したURLです。動的に生成さるURLは、XOOPSに限らず人間には理解しにくいURLになってしまいがちです。私のサイトの例でも、こんなURLをわざわざ入力しようと思う人はいないでしょうし、読もうよ思う人もいないと思います。なぜなら、このURLは無機質で眺めていても何のメリットもないからです。
良いURLは情報を読み取れる
例えば、WordPressが生成するURLは優れていると思います。パーマリンクの設定次第で変りますが、WordPressのURLには年月日・記事名が含まれています。これですとURLだけ見ても、2008年3月30日に書かれた記事である点、wordpress 2.5日本語版について書かれた記事である点等を予測できます。
http://ja.wordpress.org/2008/03/30/wordpress-25-japanese/
情報を読み取れる点がなぜ優れているのでしょうか?Googleを代表する検索エンジンでは、ページタイトル・ページの一部分、そしてURLが表示されることはご存じだと思います。ということはサイトオーナーがビジターにアピールできるポイントの一つにURLが含まれているということです。そのため、URLが理解可能な文字列であると、ビジターもそこに自分が期待する情報があるかも知れないと考えアクセスしてくれるはずです。つまり、サイトをアピールできるという理由で情報を読み取れるURLが優れていると言えます。
良いURLは他媒体にも優しい
URLが記述される媒体が、必ずしもコピペ可能なメールやウェブサイトとは限りません。例えば、講義に必要な資料を新聞社のサイトからプリントして、学生に配ったとします。熱心な学生はその配布物にインクで印刷されたURLから、その新聞社にアクセスし、関連した情報を参照したがるかも知れません。その際に、例えば以下のようなURLだったら、入力するのをためらい、記事名をググってしまうかもしれません。
http://www.{某新聞社}.com/politics/update/0420/OSK200804200034.html
この場合もWordPressのようなURLであれば、少し長くてもURLを直で入力してアクセスしてくれたことでしょう。
Wikipediaを反面教師によりよいURLを考える
WikipediaはURLが可読的である点で、とても優れたサイトだと思います。例えば、次のようなURLを見たら、「ああ、web2.0についての記事だな」と察することができます。とても優れています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Web2.0
さて、ここでクイズです。つぎのURLは何について書かれたページでしょうか?特に技術屋さんはデコードとかする前に、2秒以内に答えてください 笑。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E8%AA%9E
答えは「朝鮮語」について書かれたページです。wikipediaは優れていて、タイトルがマルチバイトでもそれをURLエンコードしてくれて、URLに反映してくれます。それはとても素晴らしいことですが、ブラウザによってはURLエンコードをデコードしないまま表示してしまうものがほとんどです。これは印刷したときもURLはエンコードされたままなので、結局読むことのできないURLになってしまいます。
googleはやっぱりURLに敏感だった
googleはURLエンコードされたマルチバイトをデコードし直して、理解可能なURLに戻してくれます。ただ、検索ワードがURLエンコードされた文字列にマッチしても、その部分は太字にならないのが少し気がかりです。
やっぱりURLは英語?ローマ字?
マルチバイトでもURLエンコードすればURLに含めることができるのはwikipediaを見れば分かりますが、これはまだブラウザが非対応という点で時期早々な感じが否めません。日本語ドメインなんてのも始まっていてPunyCodeというまた別のエンコード方式も出てきていますが、私の考えとしては、URLはまだ英語(ローマ字)にしておいたほうがいいと思います。
理解可能なURLはユーザおもい
直でURLを入力する人はいないかも知れません。それでもURLを読めるようにしておく価値は、上でも述べたとおり、十分あると思います。