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「ジウ姫」はなぜ「チウ姫」にならなかったか

suin2007年11月10日

韓国人の名前を日本語で呼ぶときに、主に二つの方法があります。一つは漢字をそのまま日本語読みする方法です。金大中元大統領を「きんだいちゅう」という人もいますね。もう一つは、韓国語の音にできるだけ近い言い方でやる方法です。韓流スターでおなじみ、ペヨンジュンさんなどがそうですね。最近はこの韓国語の音を日本語に移す方法が多いようです。

ところで、ドラマ『冬のソタナ』ですっかり有名になった女優がジウ姫がいますが、なんで皆さんチウ姫と呼ばないのでしょうか。少し韓国語を勉強した人なら、韓国語は語頭に濁音が来ないことくらい知っているはずです。もちろん、韓国語では清濁の区別はないので、韓国人の前で「チウ」と言おうが「ジウ」と言おうが問題なく通じると思います。

ところが「チウ」というのは、フルネームで呼んだときに問題があります。ジウ姫のフルネームは「チェ ジウ(최지우)」なのですが、「チウ」と呼んでしまうと、同一個人の名前が、フルネームのときと下の名前だけのときで、呼び方が変わってしまいます。「チェ チウ」と言ったら、韓国人には 최치우 と全く別人の名前として聞こえる危険性があるのです。

なので、「チウ姫」と呼ぶよりも「ジウ姫」と呼ぶ方が、より表記の揺れもなく、韓国語に近い呼び方になります。박지성(パクチソン)のように、濃音化が働いて、フルネームでも下の名前だけでも、清濁の変化がないケースもあることはありますが、下の名前が平音(ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈなど)で始まる人名を日本語に音訳するときには、注意が必要です。

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